今朝曇っていて、気温は7~8℃でした。感覚的には寒さは二度とこないような錯覚を感じ、もう春なのかな、季節は細かいスケジュールはありませんが、すこしづつ進んでいます。
先日書きましたがブレグジットまであと一か月とすこし。
グーグル先生に「ブレグジットいつ?」と聞くと
離脱の開始が3月29日で、離脱終了が3月30日、と出てきます。40日弱です。
日産がイギリスでの次期新車の生産を撤回と言う報道があったばかりですが、昨日、本田も英国生産から撤退と言うニュースが、激しく世界中を駆け巡りました。
日産の場合、英国撤退出はありませんが、その一歩手前、というところでしょう。
1月には英ジャガー・ランドローバーが人員整理を発表し、米フォードも2021年までにイギリスでの人員を減らすと報じられています。日本企業だけではありません。
英国オリジナルのジャガーですら人員整理。。。絶好調なはずのミニを生産しているBMWの工場すら一か月の休止を1月に発表しています。
ホンダの社長八郷さんが言うように、この先、ブレグジットの影響についてだれも予測できないのです。
英国スウィンドン工場の閉鎖によって3500人の雇用が失われます。3500人は大きな数です。家族も含めれば1万人以上に影響が及ぶ、と考えたほうが良いでしょう。
NHKニュースでの扱いは小さかったですけど。
ホンダが英国生産から撤退について、ホンダ社長八郷さんの会見があり、ブレグジットとは関係ない、ということを言ってました。
ただ、世間の大方はそんな建前は信用していません。
世界での普通(一般紙やメジャー放送局)のニュース媒体の扱いではやはり日産や、他の企業BMやジャガーと同じくブレグジットとの関係に触れずにいられません。
しかし、車関係を知っていると、八郷社長の言い分にも、一理あることを知っています。
ホンダの英国工場での生産は昨年(2018年)の生産台数は一時期のピークから半減に近いくらい、減っています。
ホンダは欧州でそれほど人気があるわけではありません。特に、欧州での人気のあるレースに一切かかわっていないことが大きく影響していると思います。
K沢氏のブログにも、そのようなことが触れていました。
ただ、それだけではないようです。英国スウィンドンのホンダ工場ではエンジンも生産しています。
いやむしろ、車の組み立て工場より、エンジン製造工場のほうが先にできていました。
ガソリンエンジンが多いですが、実はディーゼルエンジンも結構な数を作っています。
排ガス不正もあって、昨今のディーゼル車不人気、はアメリカだけではありません。世界でディーゼルが売れていない。忌避されています。
そんな影響で、英国スウィンドンでは車ばかりではなくエンジンの製造数も相当落ちていたと推測されます。
そんなわけで、ホンダの撤退は八郷社長の言うように確かに、すべてブレグジットのせいだ、と言うには誇張が過ぎるところがあります。
車の売れ行き、車種やエンジンの種類が英国での生産がわりに合わなくなった、というところが正確な理由。
ブレグジットにより、関税の問題(関税は0%から10%に上がります。)がありますが、それ以上に手続きが非常に煩雑になり、総合的にコストが大きく負担になってきます。
手続きなしでの輸送が(輸出入と言うより物の移動)可能でしたが、ブレグジット後、物の移動には様々な書類や手続きが必要になります。許認可の問題が出てくるでしょう。
大きな企業の話が目立ちますが、冬の期間、イギリスは食料品、特に生鮮食料品はEUからの輸入に頼っています。
イギリスの食品の約30%がEU域内からの輸入品です。
今の冬の時期だとイギリスは果物の70%、また、イギリスのレタスの90%がEUから輸入しているそうです。
実生活に直接結び付く、この影響はおおきいでしょう。
メイ首相が、先ごろ、うち(イギリス)がまとまらないので、そういったこと(手続き上のEUからの離脱)を先送り(貿易はこのまま1年)やらせてと、EUに交渉し、まさかのEUはOKしてくれたのですが、皆さんご存知のようにイギリス議会がそんなまさかの『そんなの認めない!』と却下してしまいました。(ヲイヲイ、身の程をわきまえろ、、)
こんなに大変な状況なので、私達日本人からすれば、イギリス人はEU離脱決定に多くの人が後悔しているのでは?と思うのですが、実は、最新の世論調査では
・離脱は正しい。後悔していない。 40%
・離脱は間違っている。するべきではない。 48%
となっています。
若実質的に半々です。
恐らく、こんなこと分かっていたでしょ?的な話題のホンダの撤退ですら大騒ぎですから、実際離脱されてからの混乱が目に浮かぶようです。
イギリス国民は私たちが思う以上に、想像力の欠如が甚だしい国民であるように見えます。
既に見えている軽視されがちな、しかし大きなリスクをマーケット用語で、「灰色のサイ」と言いますが、イギリスには一か月もしくは、数か月後には、「灰色のサイ」(*)が数多く出没する事でしょう。
ただ、
離脱派の『今こそ国の力を見せるべきだ。離脱しよう。』、
反離脱は『(EU離脱派の奴らは)国の事を全く考えていない。』
といった意見が激しくぶつかっています。
人々が真っ向から対立する意見に半々で別れると、そこで起きる事は人々の分断です。
おそらく、今回の離脱を巡る問題は今年中にはそれなりに収まる事でしょう。
しかし、ここで生じた人々の分断による確執はそう簡単には修復されません。時間が掛かる問題となっています。それが大きな問題となり得ます。
*灰色のサイ(グレー・リノ)とは、
マーケットにおいて高い確率で大きな問題を引き起こすと考えられるにも関わらず、
軽視されてしまいがちな材料を指します。 草原に生息するサイは体が大きくて反応も遅く、普段はおとなしいのですが、一旦暴走し始めると誰も手を付けられなくなり、爆発的な破壊力を持つことから、比喩として用いられています。
ポンド取引にも大きく影響が出るように思うのですが、ポンド取引は意外に平穏です。
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