2008年11月19日水曜日

とにかく小喬は美しい

今朝も超~寒かった熊本です。
ここ数日で急に寒くなったので体のほうが追いつけていません。
体が感じる寒さも一段ときつくなっています。

先週末見たレッドクリフ

の話のつづきです。


呉の将軍、甘興覇は元は海賊(長江で暴れてたら江賊か)で、ばくち打ち(演義では)。
不敵な面構え、という点では獅童は適役かもしれません。
彼には赤壁の戦いでそこそこの役割があります。


加えてその直後の夷陵の戦い(基本的には曹操VS劉備・孫権連合の一連の戦いの一部)では寡兵で夷陵城を奪うといった活躍をしてます。


 
赤壁の戦いで重要な役割を持っている人といえば「黄蓋爺さん」ですが、パート1ではちらっと出てきただけ。
パート2での大活躍(あるはず!)を期待しましょう。甘寧とか周瑜とたあいもな

い喧嘩とか頑固爺的な役回りをしてほしいなあ。


 
映画では孫夫人(孫向香:仲謀君の妹)が出てます。正史でも演技でも赤壁あたりでは出てこないはずですが。
この方、後に大変な歳の差結婚をすることになります。映画を見たらピーンと来る

でしょうね。
でも決して、孔明とどうにかなる、なんてことはありません(w
目がくりくりっとしたかわいい人が演じてましたが、少林サッカーで出てたらしいデス。覚えてない。
 
あとチョイ役で名医華陀(かだ)とか張允、とか曹操軍の幕僚も数多く、ですが顔と名前が一致しません。

演義では非常に大切な人物のはずなのに、今回映画(パート1)に出てき

てない人物では龐統がいません。
正史では赤壁の戦いに出ていないようです。
ですが、演義やその他(吉川英治)では重要な役割。パート1の時点で出てきてないとすると、ひょっとして出ないのか?

まさか「風采の上がらない人」、というイメージだから映画に出さない、なんてことはないよな。
テロップでパート2の見所に「連環の計」という言葉は出ていたので出演の機会はあると思うのですが。

三国志読みの人とそうでない人(特に欧米の人)に対してこの壮大な物語の一部を映画化して楽しませるのは相当な苦労があると思いました。
現代の中国の人の中にも三国志の中身を知

らない人がいると思うしね。
冒頭にある日本上映版だけの日本語による背景説明もその苦労のひとつでしょう。(これは配給会社のアイデアかな)

この映画ではいきなり劉備の負け戦から始まり

、その戦の最中に曹操と関羽のにらみ合いがありますがこれにもちゃんと背景があります。(演技や正史でもこんなシーンはないけど、三国志読みなら二人の因縁はわかる。ひょっとしてパート2の伏線か?と勘ぐっ

たり。)
三国志読んだことがない人には、趙雲や関羽や張飛の強さはわかるが劉備軍はひどく弱く、軍師孔明はさほどの人とは思えない。
難民を救おうとする劉備のヒューマニズムや、彼には多くの難

民が困難を承知で付いているほどカリスマがあるらしい、くらいは印象として残るかもしれません。
今回の劉備はあくまで脇役。だけど準主役の孔明の主君だし、サブヒロインの孫尚香とのかかわりもパート2

ではある(はず)。
かえって、「それは何故?」と思わせて三国志に触れるきっかけになるかもしれません。
知らない人が見て十分楽しめるかどうか、それは自分にはよくわかりません。でもそのため

の工夫は十分感じました。
知っている人が見ても十分楽しめます。うざったい部分や突っ込みどころもありますが総じて満足しました。

これから小喬がどうなるかも気になるなー

パート2、今から待ち遠し~


2008年11月18日火曜日

玄徳君とか仲謀君とか

 
今朝は一段と寒かった熊本です。
ついに気温が一桁に!
おまけに今晩雪が降るかも?
つか、朝より夜、会社から帰る時のほうがさみかった。(4℃って

明日も??
明後日、木曜日の最低気温が「零度」って???(白目
あまりの寒さに死んでなければこのブログも継続されることでしょう(w



 
さて、先週末見たレッドクリフの話のつづきです。
一緒にレイトショーにいたお客の数は30~50人くらいでしょうか。
まー多くもなく少なくもなく、といったところです。
ちな

みにTOHOシネマはネットで座席指定が取れます。自分は真ん中より少し(数列ほど)前の席で見てました。
 
あの映画、小さい子供に見せられるかを考えてみたんです。
戦いのシーンでは血し

ぶき飛びます。
ぶっしゃー、という感じではなくスローモーションで血のしずくを見せている感じ。
あっちこっちで血みどろ、的な印象はありません。
きついと思ったのは八卦の陣のシーン。


 
大船団を率いて長江を下り孫権側の守る赤壁方面へ向かう曹操軍ですが、実は主力は陸路を使っており、その別働隊を劉備孫権連合軍側が裏をかいて孔明の八卦の陣を使って迎え撃つ、という展開。


赤壁の戦いの前哨戦です。
 
細かいところは省きますが、この戦いで曹操軍は翻弄されて敗北します。
このとき、曹操軍は分断され兵士は各個撃破される際に連合軍の兵士たちになぶり者

のように殺される、というむごいシーンがあります。
映画の中では主役でヒーローであっても、「戦争」では相手に対してむごかろうと何であろうと手段を選ぶ暇などなく、相手を倒す=殺す、ことになるんで

す。
もちろんこれが戦争。むごくて当たり前。きれい事では済まされない現実。
小学生くらいであれば見ても判断できるかなと思いますけど、大人がちゃんとフォローする必要はあるでしょう。


素直に、むごい、ひどい、と思ってほしいと思います。
 
 
 
そういえば、劉備役、孫権役の感想について書いてませんでした。
備君はイメージとしては耳や手が長いとか、むしろ売りをしていたとか、吉川英治だと初めから終わりまで好人物だけど正史では若いころはやくざっぽい時もあり、派手好きな一面もあった、などがありますね。

映画の備君は朴訥なおじさん、という感じを受けました。
三国志演技(や吉川英治)にあるイメージに沿っているのかもしれません。
変に美化されず、地味にキャスティングしたところに好感しました。

映画の孫権(仲謀)と自分の中のイメージはかなりギャップがありました。
ちなみに仲謀君の外見は碧眼紫髯(ヘキガンシゼン、青い目と赤い髯)とアジア人離れしていたことが伝わってます。
覇道の人兄孫策と守成の人弟孫権、といわれるように控えめで物堅いイメージがありました。
映画の仲謀君は外見的には兄の策君でも通るかもしれません。剽悍な孫家の一族、としては合格点をあげていい。

この映画ならではの展開があり、孫権はとても重要な役回りになってます。
そのあたりは、ちょっと意表を突かれたかな。
(おそらく)演技や正史に描かれていない部分を無理なく膨らましているこ

とも好感を持ちました。
 
あくまで自分のイメージとの比較の話です。


(次回分解)


2008年11月16日日曜日

下回分解

レッドクリフ・パート1

金曜日、TOHOシネマズ光の森でレイトショー(21:00~)見てきました。
14日は1000円なんですね。



(レッドクリフ パンフ ¥600)

日本語吹き替え版と字幕版があります。
普段なら、アクション映画は吹き替えのほうがいい、と思っています。
文字と役者の動きの両方を追いか

けるのは難しいからです。
三国志の場合は中国語のほうが雰囲気も出るだろう、本を読んでも絶対に味わえない現地の言葉で登場人物の台詞を聞いてみたいと思って、字幕版を選びました。
もちろん今

から1800年以上前の中国語と、現代の中国語が同じなわけがないことはわかってます。
そこはそれ、あれはあれ。

始まりには日本版だけに設定された日本語による背景説明がありました。


これから見よう、って言う人のために内容は触れませんが(といっても三国志なので話の筋はネタばれしてますが)、とっても良かったです。
「監督ジョン・ウー(呉宇森)の三国志」、の展開

もまぁそこそこ許せる範囲でした。
残念な事に長坂橋の戦いがありませんでしたが、民を守ろうとする劉備の描きも無理なく描いてます。
映画でみると、大勢の難民を引き連れて曹操軍から逃れる劉備

たちの苦労や辛酸を改めて感じました。
キャスティングですが、まぁそこそこじゃないですかね。



関羽や張飛もなんかはまってる。
青龍刀を振り回して超人的な強さを見せる関羽(!
残念ながら蛇矛の出番がありませんでしたが(素手で超人)、圧倒的な力で相手の馬ごと蹴散らす張飛(!

/>もっと撮影の仕方で身長とか大きく見せても良かったんではないかと思いますが。


金城武の孔明や趙雲役の人ももう少し色白のほうが、と自分のイメージとのギャップを感じながらも
白馬(←これは外せないでしょう)にまたがり阿斗を救う趙雲には


 
「漢」(おとこ)
 


を感じさせる面構えが気に入ったし、
飄々と呉に入り、孫権や張昭や魯粛、周瑜など呉の首脳陣に琴なんか弾いたりして同盟を掛け合う孔明の演技には
どことなく頼りなさげな中に、底知れなさ、

を見事に感じさせてもらいました。
考えてみりゃ、新野から出てきてまだ何の実績もない孔明に対して、当時の呉の首脳も孔明とは何者?と思っていたはずですからねえ。


「美周郎」
とは呉の都督(軍司令官)、周瑜のことですが、少々野暮ったい感じのトニーレオン版、色黒「瑜君」でし

た。
でもあの演技力であればまぁ許してしまうか。
こちらもやはりその演技に
「漢」(おとこ)
を感

じさせるものがありましたねえ。


小喬役の林志玲(リン・チーリン)さんは、いやもううっとりとするほどの透明感のある美しい方で、さすが小喬。
ちょっと迫力の欠ける曹操が横恋慕した、なんてうわさも信じたくなりますがな。


八卦の陣のくだりは・・・まー人によって受け止め方はいろいろあるでしょうなあ。
奇門遁甲とか八門遁甲とか言われていますけど、だれもその正体を見たことがない、といわれている孔明の陣法です。


映像化した、という事でその挑戦は評価しましょう。
自分のイメージ(吉川英治の影響)にも迷路的な形はあったので似ているような似てないような・・・


あー、やっぱり書きたいことはいっぱいあるな。
来週はこの映画をすこし引きずってみよう(w
そういうことで、このブログの題は「下回分解」(え?


この映画の最後に「下回分解」の文字が現れます。
これは、次回へ続く、という意味だそうです。
来年2009年4月にPar

��.2放映だそうです。(日本)
赤壁の戦いの本番は、Part.2で描かれています。


ん~きっと4月近くになるとテレビでPart.1放送しちゃうんだろうなぁ。
でも、あの迫力は映画館でしか伝わらないなぁ、きっと。