昨日から3本目の高分子点滴がなくなったので1日2本になった。
3本目の点滴は、時間上どうしても消灯後、寝ている間も点滴継続になる。
これが気になって、加えて耳鳴りの件もあり、あまり寝れなかった。
3本目がなくなった昨晩は、比較的睡眠が取れたようだ。
ただ、後で知ったことだが、ステロイド剤の副作用で不眠、と言うこともあるらしい。
朝、晴れ。右耳の調子は閉塞感は変わらない。耳鳴りもひどい。
入院3日目に感じたような改善が続いているとは思えない。
そんな中、朝の診察で、退院の日取りについて相談。
点滴治療は10日目で終了する。
その後は経口薬に切り替える。これは様子を見ながら2ヶ月くらい続くものらしい。
高圧酸素治療は、点滴治療終了後も一週間ほど続くので、入院したまま高圧酸素治療を続けるか、自宅から通うか、ということになるらしい。
考えておいて、とのこと。
N病院は居心地がたいへん良いので、このまま入院したままでもいいかなあ、と思いつつ考える。
居心地はいいのだが、同じ階に入院されている、さるご老体(勝手に「お願い大将」と呼んでいた)が昼も夜も何かを叫んでいるのが、少々気になっている。
音がしないとき、加えて耳鳴りがないときは、病院内は至って静かで、右耳は少々閉塞感を感じる程度だが、何か雑音がしてくると、右側の閉塞感が強調されて、頭の中に音が響き渡る。これがわりとこたえる。
お願い大将の叫び声が、自分の病気を自覚させてくれるのだが、あまり近いところで叫ばれると頭中に響いてキツカッタ。
白石一郎の『オランダの星』(文春文庫)を読み終えた。
白石一郎と言えば海洋小説。これもその短編集だが、なかなかの佳作揃い。
表題になっている「オランダの星」もなかなか良かったが、次の「モンゴルの海」と最後にあった「もう一人の爆死者」が印象深い。
「名人」以外は、出身地ではない国のなかで事件や事故に巻き込まれたり、自分で飛び込んで翻弄されるなかでの苦闘や苦悩を描いている、という話の流れが統一されている。海洋小説ではよくある話の筋。決して時代の主人公にはならない、ちょっとした事件を拾い上げて、読み手を引き込むところが白石一郎のすごいところだと思う。
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