2015年11月10日火曜日

今年はターニングポイントだったような気がする~

仕事柄で半導体のお話です。

カメラ好きでもあるので仕事上でも趣味の上でも関心が高かった、東芝の大分工場売却。
東芝大分はその昔、ソニーと「Cell」を製造するって言うので合弁会社になると言われてた時期があったのでした。
そっちはソニー長崎で製造されて、PS3のCPU「エモーションエンジン」、GPUの「RSX」は東芝大分で製造されていった経緯があります。
それら世界でも最先端のLogic系デバイスを製造していた東芝大分が、近年ではCMOSセンサー製造をメインにやっていました。
大分工場も長崎工場も、一時はゲーム事業が不振だったソニーから東芝へ売却された時期もありました。(長崎は結局ソニーに戻った)
先日、CMOSイメージセンサーでは世界のシェア40%を握りトップを独走するソニーが、この東芝大分を買うことが決まったそうです。
東芝大分で、もともとソニーの社員だった人はどのくらい残っているのだろうかと考えなくもないですが。
ソニーと東芝って縁が深いですね。

カメラで言うと、ニコンのデジタル一眼のある機種は東芝製、という話を聞いたことがあります。
いまやデジタルカメラのCMOSセンサーはほぼソニー製一色になっており(まぁ、もちろんCanonは内製。ほかはAptinaとかありますが)、製造元が一緒のセンサー能力でデジタルカメラの独自色を出すのは難しくなってきているんじゃないかな、と思います。
あと、ソニーの寡占化が進めば価格もソニーには有利に働いてくると予想されますが、イメージセンサーの製造および販社と、ソニーのカメラ事業会社の結びつきがどれほどのものか分かりませんので、なんともいえません。

半導体製造関連のM&Aは東芝とソニーに限らず、世界的なブームになっています。(特に中国がらみ)
スマホなどモバイル向けの需要が一段落したせいではないか、中国需要が一段落して世界的な景気減速が目に見えてきたからではないか、と言われています。
半導体製造装置会社のM&Aも、先日大きなニュースがありました。
昨年暮れだったかな。製造技術が大きな節目を迎えているぜー、的な内容をアップしましたけど、その辺もキーになっていると思います。
(でも意外になのか、予想通りだったのか、明言するのは恐れ多いですが、450mmはしばらくこなさそうですねえ)

新しい技術の話で面白い話を聞きました。
既にネットのニュースで出回っているので知っている人は多いと思いますが、毒リ●ゴ・・じゃなかった、iPhone6sのチップ「A9」にまつわる話。
iPhone~5sまでのチップ(A7まで)は、ほとんどSamsungが製造を請け負っていたらしいのですが、~6の「A8」は台湾のファウンドリーtsmcに、その製造を奪われました。
まぁ、特許権の争いなどでSamsungとAppleはかなりやり合ってましたからねえ。
そして「A9」はtsmcが1/3、Samsungが1/3、アメリカのGFが1/3と分け合うことになったのです。が、実はGFはSamsungの下請けなのでSamsung技術による製造の「A9」が全製品の2/3を占める計算になるはずです。
面白い話というのは、そのSamsung製「A9」はtsmc製「A9」よりも消費電力が多く電池の持ちが短い、という噂です。
Samsugによる「A9」製造技術は14nmFinFETを使っていると言われており、片やtsmcは16nmFinFET技術で製造されている模様です。
デザインルールが異なりますが、結構微妙なんじゃないかと思います。
って調べてみたら、消費電力が多い、と言っても3%くらいらしいです(By Apple調べ)。
Appleも製造元の違いによる性能差が使い勝手にまでは影響を及ぼさない、とコメントしているようです。

性能差やデザインルールの微妙な差はともかく、今年はFinFET元年と言えるんじゃないでしょうかね。もちろん、Intelは昨年から出してますけど、出揃ったという意味で。
NAND フラッシュも積層(3D)化が本流になってきた年、と言えるんじゃないかと思います。
半導体製造技術の節目にM&Aの大きなうねりがあるのは、いたし方のないことで、この先の何かを暗示しているのかもしれません。

自分が好きな「車」の世界にも半導体にかかわる大きな動きが進みつつあります。
この話は、気が向いたときに書きます。


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