2017年3月7日火曜日

ムーアの法則は遅滞している、なんて嘘。

今朝の寒さはたいしたことはありませんでしたが、先ほど帰宅した時の夜の寒さは久しぶりの冷えでした。
寒い!
路面も濡れていて、気付かぬ間に降雨があったようです。
さすがにこの時期、この濡れた路面が朝までに凍ることは無いでしょうけど、凍るんじゃないかと思わせるような寒さです。

さて本題。
ここ一ヶ月、テック関連のニュースやブログを見ていて感じたのは、デバイスの微細化のスピードはちっとも緩まってない、ということ。
ムーアの法則は遅滞している、なんて嘘。
そういった関連のニュース見出しを並べると、下のようになります。
  • Micron、2017年中に1Xnm DRAMや64層3D NANDを出荷 2/6
  • 64層の3D NAND技術で512Gbitの大容量データをシングルダイに収容 2/8
  • TSMCがISSCCで5nmプロセスまでのプロセス技術を展望 2/8
  • IBMがPower9を、MediaTekが10nm版モバイルSoCをISSCCで発表 2/9
  • 次世代モバイルを実現する7nmのSRAM技術をTSMCとSamsungが公表 2/16
 tsmcの発表を見ると、微細化に至る幾つもある壁の一つ、EUVの実用化はそろそろ具体的になってきたように思います。
これらの記事に、こんな締めくくりがありましたが、まあこれまで何度も言われてきたことですが、この先も何度も言われ続けるんでしょうね。
『加工技術を微細化したからといってそのままロジックやSRAMなどの密度が上がるわけではない。必ずと言って良いほど問題が発生し解決策を考案する必要がある。その繰り返しにより最先端の半導体チップは具現化されているのだ。』
NANDフラッシュは巷では品不足が続いているようです。
今年の夏前までタイトな状態が続くと言う予想がありますが、今年いっぱいは厳しい、と見る向きもあります。
フラッシュメモリー関連のニュースでは、
  • HDD世界出荷台数は過去6年で約3分の2に減少 2/21
  • SSD世界出荷台数は過去6年で約12倍に急成長 2/23
やはりSSD需要が激しいんですね。記事の中には、
「SSDの出荷台数とHDDの出荷台数の比率(SSD/HDD)は2010年にはわずか1%に過ぎなかった。それが2016年には、25%に達している。出荷金額の比率はもっと近く、47%に達した。」
とありました。HDDも少しは残るでしょうけど、昔の磁気テープ的な存在になっていくように思います。
それ以外で眼を引いたのは、先月上旬に発表されたソニーの記事、
  • ソニー、3層構造のスマートフォン向けCMOSセンサを開発 2/7
  • ソニー、フルHDで1,000fpsの撮影ができるスマホ向けCMOSイメージセンサー 2/7
データバッファーを併せ持ったセンサーと言うと、今までもあったんじゃないかと思うのですが、上の見出しにもあるように、フルHDで1000fpsを可能にしている、というところがミソなんでしょうね。
これまでにない、巨大画像データ処理が可能になっているということです。
ますますスマホや監視カメラといった小型機器でも高精細な画像や動画撮影の幅が広がっていきます。
すごいと言うか、恐ろしいというか。
下の2社は確か特許争いを通じて手を組んだんでしたね。
  • SK Hynixと東芝が共同開発した4Gbitの大容量STT-MRAM 2/9
NANDフラッシュの次を模索する動きは他にもありますが、上も含めてまだまだ決定打にかけます。
中国関連では、
  • GLOBALFOUNDRIES、中国・成都に半導体工場を建設
「中国では成都市とパートナーシップを結び、22FDXの世界的な需要加速に対応するため300mmの新工場を建設する予定としている。同工場では2018年にメインストリームプロセスの生産を開始し、その後2019年に量産開始予定の22FDXプロセスの製造に注力する計画。」
先端の工場がどんどん内陸に向かっていくのも中国政府の差し金です。(苦笑
この先数年は工場乱立が続くようです。しかし、14億人近い人がいる国なのに、恐ろしいほどの人手不足。
建設無双といってもいい状態で、そして船頭(部長クラス)は無駄にいっぱい居ます(用意されています)が、現場のエンジニアや彼らを引っ張る現場リーダークラスの数は極端に密度が薄いように感じます。
ハビタブルゾーンの惑星を探すくらい厳しいかも。
 

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