2003年5月30日金曜日

プラズマ


プラズマとは「超高温で,原子がガス状に電離した状態」と辞書にある。
電離した状態、つまりプラスやマイナスの電荷をもったイオンがふわふわ漂っている状態、の中に何か物体があるとその物体が電荷を帯びてしまう。
これがチャージング、と呼ばれる現象で、電荷を帯びてしまう事が半導体素子にはダメージとなる。

MOSを使ってダメージを調べる方法は至極簡単である。
プラズマ中にMOSを置くと、エネルギーの高いイオンから順にMOS表面にぶつかる。
MOSの表面はMetal(金属膜)なので当然電気を通しやすい。つまりプラズマ中のイオンを拾いやすい。
イオンの電荷は金属膜を通して下のほうへ進みOxide(シリコン酸化膜)に達する。
Oxcideは絶縁膜といわれ、電気を通さないため電荷はOxcideの手前まで来て行き場を無くし止まる。
上からは次から次へと金属膜に拾われた電荷がやってくるのでOxcideの手前では電荷の渋滞が発生する。
Oxcideの膜は通常薄膜で数ナノメートル程しかない。
溜まりに溜まった電荷がいつかこの薄膜を突破してしまう。
これがいわゆる絶縁破壊とよばれる状況でこのあとこの素子は電気的に導通を持つ。
ダメージを測定する場合、導通を持った素子がいくつあるか(不良率)を調べればよいのである。

Metal膜が電荷を拾う様子が、あたかもテレビやラジオのアンテナが電波を拾う様子に似ているので、
このMOSの事をアンテナMOSとも呼んでいる。

昨日打合せを行い、今日アンテナMOSが手元に来た。
来週、これを使って装置評価を行う。
ダメージを測定するのは別な人が行うため、この結果が出てくるのは来週後半から再来週初、といったところか。


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