初めは表題のことについてを主題に書こうと思ったのですが、ここに来て
「資源国通貨安」
というニュースもあったので、単なる素材=原油の価格が下がっているだけでは収まらないような気がしてきました。
少し前に、以下の記事がありました。
【モスクワ時事】ロシアの通貨ルーブルが下げ止まらない。ルーブル安による月給目減りが国民生活を直撃。新年休暇の楽しみにしていた海外旅行は難しくなり、庶民の小さな夢である米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)6」は一夜にして25%値上げされた。2015年の経済成長率はマイナスに陥ると予想されており、国民は不安な年越しを余儀なくされている。
突っ込みどころはあるのですが、それは置いといて。
さらに今日、ロシアの中銀がルーブル安を止めるために金利を劇上げしました。その引き上げ幅は+6.5%(年10.5%から17.0%へ)
通貨が下がっているのは、メキシコ・ヌエボペソ、ナイジェリア・ナイラ、豪・ドル、ノルウェー・クローネ、ブラジル・レアルなど。
んで実際にチャート見て見ました。対象国/日本円の1年チャートになっています。
まずはUSドル/日本円
ドル高チャート(=円安)です。
さて、ロシアルーブル/日本円はどうかというと、
超絶ルーブル安(円高)です。縦線ひと目盛り2ヶ月なので4ヶ月前の半値です。1ドル100円が1ドル50円になったようなものです。激しいですな。円はドルに対して安くなっているので、さらにそれよりも安くなっているルーブルのドルに対する下落率はさらに大きくなります。これを見ると、ルーブルの動きは黒田バズーカ第2弾をきっかけにしているような気がしなくもありません。
さてこの他の通貨ですが、
豪ドル/日本円
南アフリカ/日本円
メキシコ/日本円
トルコ/日本円
ノルウェー/日本円
はて、ここまで見るとここ1~2週間の動きは急落のようだが、豪ドルや南アフリカは元の水準になっただけでは?というような感じです。ですがこれ、対円で見ているからいまいちわかり辛かったんです。対ドルチャートにしましょう。
ロシア・ルーブル/USドル
豪ドル/USドル
南アフリカ・ランド/USドル
メキシコ・ペソ/USドル
トルコ・リラ/USドル
ノルウェー・クローネ/USドル
ついでにブラジル・レアル/USドル
さらに中国元/USドル
資源国、新興国の通貨は軒並み黒田バズーカの影響を受けているような・・・
なにかしら変調をもたらしている、と言えるんじゃないですかね。
でも原油との関連も見なくちゃいけませんね。
原油WTI 先物 1年
これを見ると確かに原油価格との相関性も高そうです。
資源国通貨は原油連れ安、新興国通貨は黒田バズーカ、ってことにはならないかな。
そもそも資源国(特に原油)は原油によって国の経済が支えられている部分が大きく、原油の価格が下がれば国の経済に打撃⇒国の財政、ひいては債券(ソブリン)リスクが高まり売られる⇒通貨安、と言う流れ(通貨が安くなるのが早いか、債券価格がさがって利回り急騰するほうが早いか、どっちでしょうかね)
基本的に、原油が安くなるのは、エネルギーコストが下がりエネルギー関連以外にお金が回り始めるので景気にはプラスになるはずです。
ロイターによると、イングランド銀行のリポートでは
6月以降の原油価格急落は景気には総じてプラスに働くものの、安値が続けば「特定の地政学リスクが拡大する恐れ」がある
と言っているそうな。特定の地域ってどこなんでしょうかね。
原油価格は20~30ドルくらいまで下がるかもしれません。リーマンショックのときにそのくらいまで下がっています。そのあと急回復していますが、今回はどうでしょうか。原油そのものの枯渇までの期間が短くなったと言うニュースはありません。これまでの原油価格の値上がりが単なるバブルだったなら、それがはじけただけ、と言えるかもしれません。ただ、アメリカのシェール産業はダメージを受けるでしょうね。大勢のアメリカ国民がその影響受けるほど、シェール産業への投資規模が大きければ、リーマンショックのようなことがこるかもしれません。
シェール産業の盛り上がりがアメリカ産業のごく一部でしかなければ、さっきも書いたように原油値下がりはアメリカの好景気を支えるものとなるはずです。
ただ、その先を見通せば原油価格に左右されるエネルギー関連コストの呪縛からの脱却、という現在の世界的なコンセンサスは崩すべきではないし、これからも継続すべきと思います。
原油ショックとか、逆原油ショックとか。。。いったい何回経験すれば学ぶんじゃい
0 件のコメント :
コメントを投稿