2018年5月6日日曜日

GW最終日なのに雨 剣客商売感想(1)

熊本は表題の通り午前中から雨でした。
日課の散歩は8:00から9:00過ぎまで近所の公園で6000歩約4km分しました。ちょうど終わるころに雨足が強くなりかけていたのでちょうど良かったです。近所の公園は季節がら、新緑にあふれていて晴れていると新緑の葉の間からこぼれる陽光が素敵です。


(2018年4月10日近所の公園 By スマホP10Plus)
曇っていたり少しくらいの雨でも木々が緑のトンネルを形作ってしのぎながら散歩が可能です。ひなたで30℃を越えていても、ここは少し涼しいので、年中快適に散歩が可能です。






天気図を見ると、北海道に大陸からの低気圧が近づいています。中国の長春あたりを中心とする低気圧が上の天気図で見えますが、この天気図の範囲外の西にもう一つ低気圧があります。これらが近づいてくるので北海道も徐々に天気が崩れますね。西日本は大陸から前線が伸びています。天気予報によると九州北部は今日明日いっぱいは雨のようです。
来週まで朝晩は少し涼しい模様。


さて、先週図書館で借りた池波正太郎の剣客商売全集1巻前半「剣客商売」(女武芸者、剣の誓約、芸者変転、井関道場・四天王、雨の鈴鹿川、まゆ墨の金ちゃん、御老中毒殺、)
はほぼ読了。登場人物が、さすが池波正太郎さんというか、皆味わいがあって、しかもその描写がくどくなく、素晴らしい。
登場人物は各話でそれぞれですが、剣客商売の剣客の主人公は秋山小兵衛という60過ぎの老剣客になると思うのですが、この人が剣の腕前でなく、生き方もすごい。後半「辻斬り」の悪い虫のなかで、小兵衛の息子大治郎の門人志望の鰻屋の又六に剣術とは何かを説明する場面
「剣術というものは一所懸命にやって先ず十年。それほどにやらぬとおれは強いという自信(こころ)になれぬ。」又六は鰻屋の商売を休めないので、十日で強くなりたいと大治郎の門人になりたがっています。「そこで十年やって、さらにまた十年やると
今度は相手の強さがわかってくる」と大治郎は又六に教える。
「それからまた十年やるとな」「三十年も剣術をやると今度はおのれがいかに弱いかということがわかる」又六は「そ、それじゃあ、何にもなんねえ」
私は思わずここで吹き出しました。さらに大治郎続く
「四十年やると、もう何がなんだか、わけがわからなくなる」(この大治郎はまだ30前。
もちろんこれらの言葉は大治郎の父、小兵衛の言葉でうけうり。


時代は江戸中期、将軍八代吉宗の孫、家治の時代、老中田沼意次の権勢が盛んん頃の時代背景があります。田沼は忙しいとき政務の傍ら時折自宅で剣術大会を開き、剣の道を大事にしています。秋山小兵衛田沼意次とも懇意であり、時に田沼を救い、田沼の権勢を利用して作中起こる事件を解決していったりします。小兵衛は剣の達人ですが、人生の達人とも言えます。
大治郎は父小兵衛を評して、「老熟した小兵衛の思案はおのれでおのれのこころのうごきまでも操作することが可能であった。自分がしてよいことと、しなくてもよいことが、たちどころにわかり、すぐさま行動に移すことができる」
「年をとるとな若いときのように手足はきかぬ。なれどそのかわり世の中を見る眼がぴたりとさだまり、若い頃のように思い迷うことがなくなる。これが年の功というやつで若い頃にはおもってもみなかった気楽さがあるものよ」といつか小兵衛が大治郎に語ったこともあった。(雨の鈴鹿川より)


普通に年を重ねても、なかなか小兵衛のような境地に達することは難しいと思いますが、目指すべき境地と言っても良いでしょう。
でも、こんな老剣客ですが、なりゆきで40も年が離れた娘(おはる)と祝言を上げることになります(苦笑)















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