2018年4月8日日曜日

漫画『キングダム』が、19日発売のコミックス第50巻を記念して実写映画化される

ニュースによると、
漫画『キングダム』が、19日発売のコミックス第50巻を記念して実写映画化されることが決定した。そうです。



日本人が出演するのだとしたら出来は全く期薄ッス
自分はかなりの中国史好きなので、この漫画自体は知っていましたが、じっくり読んだことが無くて、さらっと読んだ印象は、始皇帝がかっこよく描かれすぎ。嬴政は、むしろ、その弟としてでてくる、初期のセイキョウ成橋 成蟜くらいの残忍さがあるはずだが、、、、。違和感があってやや抵抗を感じました。あまりかっこよくしてしまうと、刺客のけいか荊 軻あたりのくだりは今後どのように描かれるのでしょう。
戦いで中華統一を目指した、「戦神」として、始皇帝嬴政の曽祖父の昭襄王が出てきますが、昭王ですね。ただ、彼を「戦神」とするならなぜ魏ゼン魏冄を出さないか?もしかして出てるのかな?
また、始皇帝による、秦の中華統一の礎になったのは、始皇帝の時代から400年前の秦と、山民族との関わりで穆公がでてきますが、彼の徳による影響がかなり大きかった。穆公は春秋の覇者(五覇の一人とされます)。マンガの中で、穆公は人、民を愛し、奴隷にすらひざをついて礼を尽くした、というくだりがありますが、この徳のおkげで、戦によらず、西に100里の領土(山の民)の心を得たような描かれかた。
この奴隷その人、から、秦の宰相になった、百里奚の功績がすべて穆公のものになっているのはやや合点がいかない。
確かに、身分が奴隷であろうと、出身が他国であろうと賢才をもっていれば構わずとりたてた穆公の人柄は、キングダムで描かれている通りかもしれませんが。
穆公が死んだ時に、多くのこれら取り立てられた有能な家臣の多くが殉死したことになっていますが、実は穆公によってされたのではないか?という説もありますそのため、穆公の死後送られる諡号は「穆」がつけられますが、「穆」は「人徳に厚い当主」
穆公の名前は正しくは、「嬴任好」です。死後「穆公」とおくり名されています。
しかし、死ぬ間際、多くの家臣を殺し処罰するという過ちを犯しため(殉死としているものもあります)、過ちを意味する「謬」の文字をおくられています。穆公は別名「謬公
史記蒙恬伝に「蒙毅曰く『昔、わが秦の穆公は、三良(三人の立派な臣)を殺し(殉死させ)、百里奚を処罰されましたが、罪を犯したわけではありませんでした。それゆえ号(諡号)を繆(穆と同じ:誤ると同義)と申し上げるのです』」
このように穆公の比類稀な徳政は百里奚百に負うところが大きいのです。
百里奚の数奇な人生(大部分はフィクションですが)は宮城谷昌光さんの侠骨記(短編集)の「買われた宰相」を読むといいです。また同じく、「春秋名臣列伝」(短編集)にも百里奚の作品があります。
まあ、なかなか、周(戦国時代)末期、秦の統一までの話は呂不偉の存在や、戦国四君の存在が大きい。
できれば、秦末期、楚漢戦争を熱く語る漫画とかあってもいいのに。ただ、中国古代史にしては武侠ものになりすぎているので、やや時代感と中国感は少ない漫画と言えますね。
もうちょっと、孔子や、老荘的な思想がはいってていいのに。
と言う漢字で、意外にこのマンガの実写化はあまり期待していません。

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