2018年11月27日火曜日

半導体景気はいつまで?気になるインテルの動向。従来のアーキテクチャーに縛られない電子デバイスの製造技術なんてあるのでしょうか。

インテルの投資先送り、tsmcもここ一年は従来ほどの積極的な投資をしていません。
10nm, 7nmのデバイスが世界中で枯渇し始めているという話があります。

2018年前半まで、中国含めメモリー各社の狂乱がありました。メモリーバブルといっていいくらい。
いや、泡沫ではなく、実体のある狂乱的な需要の伸びがあったわけですが、半導体なんて、実需を見て設備投資しても、実際の製造や生産が需要に間に合わないので、一般的に先行投資します。
その規模は投資を決めた段階の需要を上回る程度の生産能力を見込んで投資します。そのころは需要が供給を大いに上回っているはずなので、供給が追い付かず、半導体価格は高騰します。
そして、一般的に、製造設備が出来上がって生産が軌道に乗り始めたころに半導体需要は一旦落ち着き、半導体価格も下落する。いわゆるシリコンサイクルですな。

しかし、ここ2年ほど、そのシリコンサイクルが以前のようなタイミングではなくなっています。2016年ミドルあたりがメモリー価格の底で、そこから上がり始め、2017年は1年間ずっと値上がりが続いていました。
冒頭に書いたように、今年の春ごろまで、まさかの値上がりが続きました。
それまでの需要は個人のモバイル機器、デスクトップというあたりがコンシューマーだったのですが、今回、データセンターなどが大いにメモリーを欲しがったことによるものです。と、見ています。
この辺、ITインフラ、というカテゴリー名で呼ばれることが多くなってきました。巨大なインフラになっています。購入元が個人ではなく、法人。

加えて、中国の需要の規模や強さが従来とは比較にならないほどだったのではないでしょうかね。
それくらい、メモリー価格は高値安定していました。ここ1~2か月でようやくNANDフラッシュやDRAM単価の価格は上げどまりに近い状態になっています。

価格が下落トレンドに入った、と言う話は聞きません。NANDフラッシュの価格はピークアウト。
DRAMは年明けに下落するんじゃないか、といううわさがあります。

年明け価格の下落が見えてきても、半導体業界、ようやくシリコンサイクルのひとタームが終わりなの、という感じ。
山と言うか高原ははるか高く、かつ、広かったのですが、谷はそんなに深くなく、谷の幅も大きくないような気がするのです。
その理由の一つは、一番最初に書いたように、ロジックデバイスの在庫は底をついています。

2019年はMPUなどロジックデバイスの価格急騰があるかもしれません。

デバイスメーカーが淘汰されていることも加え、一方の巨人、インテルが投資先送りしています。
この姿勢は、理解しがたいものがあります。

この巨人は何を狙っているのか?。最先端デバイスと言われる微細化開発への挑戦はあるのかどうか?GFのようにEUV開発は割に合わないと辞めて、しかし別の手段を持ってくるのか?
そうなったら大変な驚きがあるでしょう。従来のアーキテクチャーに縛られない電子デバイスの製造技術なんてあるのでしょうか。
2019年は沈黙を保つ、巨人Intelの動向が大きく注目されてきます。

しかも、かく乱要因も併せて存在します。米中貿易戦争の行方。アメリカは技術が漏洩とか文句を垂れるかもしれませんが、現段階では、従来の半導体技術の延長上にあるデバイス技術は、アメリカは二流の地位にあります。
今や韓国、台湾、そして猛烈に追いかけている中国が次世代を築いて行くでしょう。少なくとも次の世代、新世界へ挑戦するエネルギーを持っているのはアジア勢です。

先日、このブログでコンシューマー向けのデスクトップパソコンの需要が上がっている、お話をしました。OSの代替わり需要によるもの。
MPU製造の滞りはそこにも水を差す形になります。車の自動化や、AI化、5Gへの移行への動きにも同じく。結構影響が大きいと思うのですが。
その分、今年後半、tsmcは売上が伸びるかもしれません。今年前半、韓国サムスンも相当売り上げ延ばしていましたが、これはメモリーのおかげです。サムスンはメモリーだけでなく、ロジックも製造しています。
サムスンは来年ロジックでも売り上げやシェアを伸ばすのかもしれません。どうだろうか。アップルのSOC供給をtsmcと争っていますが、いまのところはtsmcに奪われたまま敗退しています。
サムスンは自らGalaxyといったコンシューマー製品を持っているので、まだ自社製品の販売先を持っています。サムスンの技術なら、Intelの穴を埋めるようなファウンドリーになりえますが。
そういえば、一時期ロジックのひとつ、高価なGPUが飛ぶように売れた次期がありました、昨年暮れぐらいだったか。
その原因になったのはブロックチェーン技術を利用する、仮想通貨
ちょうど、仮想通貨をめぐる話が、ロイターに挙がっていました。

焦点:ビットコイン決済利用が激減、遠い「代替通貨」の夢
仮想通貨ビットコインの価格は一時に比べて落ち着き、決済通貨としての基本的特徴である「安定性」を満たし始めた。ところが決済における利用は今年劇的に減っており、投機的資産からまともな代替通貨への脱皮に苦労しているようだ。
ブロックチェーン調査会社チェイナリシスのデータによると、主要な決済処理機関によるビットコインの取扱高は、昨年12月には4億2700億ドルだったのが、今年9月には9600万ドルと80%近くも減少した。相場が落ち着けば決済手段としての利用が広がるとの期待が裏切られた格好だ。

自分も含め、多くの人が感じていた、仮想通貨に対するうさん臭さ、はあっさりその実相を露呈し、その時代を終えたかのように思えます。
仮想通貨って便利だなと思わせるものが、そもそもないのに、広まるわけがないですね。
まさにバブルでしたね。マネックスの松本はなんであんなのに肩入れしたんだろう。
見る目がないな。

さて、もう仮想通貨絡みで、電子デバイスが売れるようなことはないでしょう。
それこそバブルです。









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