2018年9月8日土曜日

GFの7nmデバイス断念の話のつづき。とか

熊本市は今日一日、雨が降る予想になっています。
今も窓の向こうは雨が降っています。スキタイの本の返却日は明日に迫っているので、空の様子を伺いながら、今日明日、返しに行かなきゃ。です。

先日、
先週末に、ファウンドリー大手の一角の米GFが7nmデバイスの製造を永久に断念したそうです。
と書きました。

半導体の世界に興味がない人はサッパリ?な記事だと思います、
7nmというのは、半導体デバイスの微細化の程度を示す数字と単位です。
昔は、トランジスタという半導体の素子上の重要な部分の長さだったり、電子信号(電流)が流れるデバイス上の配線のサイズつまり幅だったりしたのですが、最近は、どこのサイズを言っているのか、よくわからなくなっています。デバイスを製造する会社ごとに基準が違っていたりします。
ただ、一般的に、デバイスの開発の世代を言い表すのに都合がいいので、なんとなく、こういう表記が残っています。
2018年現在、。量産されているデバイスで、最新の世代は10~7nmデバイスです。
たしか、Iphoneの最新機種I phoneXのCPU(頭脳)にはApple A11 Bionicというデバイスが積まれています。このデバイスの製造にはTSMC(という台湾のデバイス製造会社)の10nm FinFET製造技術が使われいます。
10nmの次の世代が、7nmと言われます。大体、世代ごとに70%になると言われています。
この前のA10も10nm製造技術でしたが、その前のA9はSamsungの14nm,
TSMCは同じ世代のはずが、16nmと言ってました。
この辺、結構適当。

さて世界で、こういった最新の半導体素子(デバイス)を製造できる会社はそう多くありません。
かつて、日本では、日立や松下、NEC、ソニー、富士通、東芝という会社が最新半導体デバイスを作っていたのですが、開発に多額の資金を必要とする割に、販売の手腕が下手だったので、開発を続けられず、皆、製造から手を引いてしまいました。
世界では、先ほど出た台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)が最大手と言っていいでしょう。そして、韓国のSamsung(三星)、次が米国のIntel。そして、4社目が米国のGF(GLOBAL FOUNDRIES)です。GFの前身がAMDということもあって、AMDが設計、販売するデバイスの製造は専らGFが行っています。昨年あたりから、IntelCPUのCoreに対抗した、「Ryzen」ブランドを出して、けっこう好評で売れているみたいですね。こnこnおRyzenシリーズ、もちろん、GFが製造しています。

半導体デバイスで、その中の電子回路を微細化すると、デバイスそのものを小さく、高性能にすることができます。だから、10nmのデバイスよりも、7nmのデバイスへと開発を進めるわけです。
ただ、7nmに達すると、これまでの製造技術と大きく違ってきます。EUV露光技術を使う必要が出てきます。しかし、これには多くの解決する必要のある難題があり、これを解決しないと安定して製造できないのです。EUV(Extreme Ultra-Violet : 極端紫外線)

GFが製造や開発をあきらめたのは、この難題を解決するためにかかる資金の多さと実際のデバイス製造での設けが、割に合わない、と計算したからではないか?というのが私の見方。
EUV露光そのものすら、昨年の今頃は、絵空事、のような状態でしたが、今年前半に、何らかのブレークスルーがあって、露光そのものは比較的、従来の技術並みにできるめどが立った。と聞いていました。
さて、こうなると、GFが製造していたAMDのRyzenシリーズはどうなるのか、どうやら、TSMCに製造委託するようです。
7nmデバイス製造開発は、TSMCとSamsungが推し進めています。Intel様は、デバイス技術的に先端ですが、生産技術に関して超保守的なので、まだまだ、EUVなんて製造に使うのは3~5年先、と言っておられます。なので、7nmデバイス製造は従来技術の延長でするんでしょう。と考えます。EUVをつかわなくても、従来技術の延長でも、マルチパターニングという技術の延長で、微細化が出来ないわけではありませんが、ただし、重ね合わせ回数が激しく多くなりその制御ははるかに難しくなるため、超絶製造が難しくなり、コストも高騰します。

過去、半導体の製造に関して多くの日本勢が脱落していったように、現在でも世界でも競争が激しく、これについていくことに力不足を感じたGFが抜けていった、ということになるのでしょう。
とはいえ、日本でも、松下パナソニックというか、そこから変わっていったルネサスや、富士通がデバイス製造を続けているように(車載とか、スパコン向けとか)、GFも今後、何らかのデバイス製造、ニッチな分野で。続けていくことになる見込み。です。先週のニュースではRF技術とか埋め込みメモリ技術を応用したデバイスで生き残りを図る、というようなことが書いてありました。

そいえば、富士通は今やUMC(台湾2位のファウンドリーデバイスメーカー)に買収されたんですね。。。。



















































0 件のコメント :

コメントを投稿