2019年1月3日木曜日

剣客商売全集 別巻 黒白の感想とか。(5)

さて、このブログはタイマーで自動でUPしています。
1月6日以前はリアルタイムではありません。
それまでは、九州から関東に小旅しています。
なので、いつも枕に書いている、熊本のお天気状況は記録できません。
また、ちょうど、日本は市場がお休み。NYや世界の市場は始まっていますが、そういった類の記録もしばしお休みでござる。

さて12月になってすぐに借りた剣客商売全集の別巻の事を載せるのも、延び延びにしていました。すこしづつ自動で挙げていきます。
例によって、礼の如く、感想と言うより筋を追いつつ、コメントをさしはさむ形式です。なので、完全にネタバレです。ご注意ください。

5つ目の章です。そろそろ折り返し。

ー野火止・平林寺。ー
岡本と八郎が刺客の襲撃を受けて8か月後の寛延4年の3月に時間は飛びます。
そうです。小兵衛と八郎が真剣勝負を約束した日がちかづいているのです。
小兵衛は立ち合い人に内山文太を選び、二人で、約束の場所に近いところに来ています。
結果だけ言えば、八郎は約束の場所に現れませんでした。
小兵衛は、四谷仲町に戻り。お貞を喜ばせます。
小兵衛が出発する時にお貞さんの性格を表す下りが出てきます。
「では行って来る」
さりげなく、お貞にいった小兵衛へ、お貞は用意の木杯を差し出し、酌をした。
「うむ」
にっこりとうなずき、盃の冷酒を飲みほした小兵衛へ、お貞は怒ったように、
「そのお盃を、お貞にも・・・・」
といった。
「お、そうか」
小兵衛が酌をしてやると、お貞は蒼ざめた顔を緊張させ、盃を干すや、
「これにて、夫婦に相成りました」
叫ぶようにいったものだ。

この短い、10行ほどのくだりだけで、普段は物静かなお貞さんの心の底に熱く、小兵衛を想う、気持ちが読み取れます。
もしかすれば、この瞬間が小兵衛と会える最後の場面、という覚悟が、侍の娘であるお貞さんにもあるのでしょう。
この戦いを乗り越えないとお貞さんと夫婦になれない、という小兵衛の覚悟も、お貞さんにも理解できているのでしょう。
お貞さんは、死んでしまうので、本編にはあまり登場しませんが、小兵衛の心、またその子供、大治郎にも、常に影を落としている影響の大きい人物です。
お貞さんに光が当たって剣客商売に登場する回数は少ないのですが、このくだりと、最後の小兵衛が戻ってきたシーンは大変印象的でした。

池波さんのすごいところだと思います。














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